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受賞履歴

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(一社)日本鉄鋼協会主催の2021年度一般表彰における受賞について

2021年3月11日

株式会社神戸製鋼所

当社は、(一社)日本鉄鋼協会主催の2021年度一般表彰において、下記3名が受賞しましたのでお知らせいたします。

受賞名 受賞者
服部賞 代表取締役副社長執行役員 水口 誠
渡辺義介記念賞 常務執行役員 北山 修二
協会功労賞 技術開発本部材料研究所 研究首席 前田 恭志

賞の概要

日本鉄鋼協会では、鉄鋼に関する学術・技術の振興および研究者の育成を目的として、顕著な業績を挙げた会員等を表彰しています。今回受賞した各賞の概要は下記の通りです。

服部賞 鉄鋼生産に関する学術上、技術上の進歩発達に顕著な貢献をした会員に贈られます。
渡辺義介記念賞 わが国鉄鋼業の進歩発展に多大の功績のあった会員に贈られます。
協会功労賞 長年にわたり本会の事業推進のため特別の功績のあった者に贈られます。

受賞内容

1.「服部賞」代表取締役副社長執行役員 水口 誠

題目:薄板製品の製造技術の進歩と発展
自動車用鋼板、高機能皮膜鋼板等の薄板製品の製造技術の確立と商品開発において多大な功績を挙げた事を評価頂きました。主な業績は以下の通りです。

  • (1)自動車用鋼板の製造技術の確立
    極低炭素鋼をベースとした超深絞り用冷延鋼板の実用化、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の安定製造技術開発と連続焼鈍炉における高温焼鈍技術の開発などを通して、自動車用鋼板特性向上、量産化に大いに貢献しました。
    自動車軽量化のための鋼板の高強度化ニーズの高まりに対応して、各種の高強度冷延および亜鉛めっき超ハイテンの開発、製造技術の確立に取り組み、超ハイテンの需要拡大に貢献しました。また、軽量化ニーズの拡大に伴う自動車用素材のマルチマテリアル化に対応して、構造解析による最適な鋼板の適用方法や異材接合が可能な新技術などのソリューション開発を行うことで自動車用素材におけるハイテンの適用に貢献しました。
  • (2)家電用電気亜鉛めっき鋼板の製造技術の確立
    高機能皮膜鋼板の開発および製造技術の確立に取組み、大いなる功績を挙げました。とりわけ耐食性、耐指紋性、導電性等などの多様な機能を併せ持つ特殊化成処理皮膜を有する鋼板の製造技術確立に取り組み、その商品化に貢献しました。

2.「渡辺義介記念賞」常務執行役員 北山 修二

題目:製銑技術の進歩と発展
長年にわたって製銑分野の技術向上に携わり、生産性・品質・コスト競争力の発展に多大な功績を挙げた事を評価頂きました。主な業績は以下の通りです。

  • (1)高微粉炭吹込み操業技術の確立
    微粉炭燃焼制御技術や炉体熱負荷抑制技術の開発により、国内トップの高微粉炭吹込み操業を長期間安定継続すると共に、溶銑コストの低減に大いに貢献しました。
  • (2)高炉オールペレット操業技術の確立
    ペレット品質の最適化と、高炉ベルレス装入装置の活用に関する技術の確立を推進し、国内高炉初のオールペレット操業下での低コークス比操業を長期的に継続しました。
  • (3)高炉延命操業技術の確立
    高炉炉底カーボンレンガの浸食や炉壁耐火物の損耗の進展により、炉寿命が迫ってきている高炉に対し、効率的な炉底・炉壁冷却設備を考案し、また炉底カーボンレンガ残存厚推定シミュレーションの導入により高炉延命操業技術を確立しました。

3.「協会功労賞」技術開発本部 材料研究所研究主席 前田 恭志

題目:学術・技術部会活動、編集業務への貢献
長年にわたり鉄鋼板材の高品質化を実現する圧延技術の高度化、特に圧延理論に立脚した技術開発に携わり、その進歩発展に尽力しました。特に、強度・靭性のばらつきの低減と高い平坦度が要求される厚板鋼に対する圧下・温度履歴に基づく材質予測モデルの開発、およびステンレス等の高強度薄板材で要求される板厚精度と平坦度に対応するための多段圧延機の形状制御システムの開発では、いずれも実用化に結び付ける成果を実現し、高品質板材の先駆的技術の発展に多大なる貢献を果たしました。
このような技術的な専門性を踏まえて、鉄鋼協会の学術部会では、主に創形創質工学部会の運営委員として活動し、調質圧延のミクロ変形解析研究会やテンションレベラモデリング高度化研究会に参加して、研究活動の推進に貢献しました。また、技術部会では圧延理論部会の幹事、部会長を務め、部会活動の活発化を図るとともに棒線圧延3次元FEM解析システム機能向上に関する技術検討会等で活動を行いました。
一方で、論文誌編集委員会では圧延加工分野の専門委員を長年にわたり努めました。また、会報委員会では、2009~2015年まで委員を務め、2016~2020年からは副委員長・委員長を歴任し、グラフ記事や特集号の企画立案、会報誌の電子版や冊子体の一層の内容充実に尽力しました。また、幅広い技術開発業務の経験を活かして、育成委員会の鉄鋼工学アドバンストセミナー主査を務め、将来を担う各企業の中堅技術者・研究者の人材育成に尽力しました。