「第59回 田宮賞」の表彰について

2018年9月25日

株式会社神戸製鋼所

当社は、下記の案件を「第59回 田宮賞」の各賞受賞案件に選定し、21日に授賞式を執り行いました。

「田宮賞」は、当社の第5代社長 田宮嘉右衛門※1の遺徳と事蹟を永く記念するため、当社およびグループ各社の中から会社の業績や社会に大きく貢献した技術・製品について、1960年以来表彰してきており、今年で59回目を迎えました。

今年は、全体で5件の推薦があり、これらの候補案件について審査委員会での審査結果を9月10日開催の理事会(理事長 山口貢代表取締役社長)で審議の結果、それぞれ下記の賞に決定致しました。

当社は、田宮賞の表彰などを通じ、今後もグループ一丸となって事業基盤の強化、社会への貢献を果たしていく所存です。

1. 金賞:
シンフォニアテクノロジー(株)
テーマ: EV/HEV用試験装置の開発と拡販

近年、自動車メーカでは、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、燃料電池自動車(FCV)の開発及び実用化の動きが激化している。同社はこれに先駆け、1994年に車載バッテリーを模擬するシミュレータの開発から自動車の電動化の流れに乗り、車載駆動モータを評価する高速ダイナモシステムの開発と拡販、インバータ単体を評価するインバータ負荷シミュレータシステムの開発をしてきた。これらのEV/HEV用試験装置の開発と拡販により、同社の業績向上に寄与した。
2-1. 銀賞:
コベルコ建機(株)
テーマ: ものづくり技術の深化

油圧ショベル市場が新興国へ広がり、商品の差別化と価格競争力が重要となっている。油圧ショベルの製造原価の大きな部分を占める購入品に着目し、自らが設計、評価、生産できる ”ものづくり技術”の深化を進めた。例として、足回り部品は設計評価技術を獲得し、コストダウンと耐久性向上を達成した。キャビンは日本製と同等の製品をインドのサプライヤーで生産可能とした。また、走行ユニットは目標の精度/耐久性/性能で内製化し量産を開始した。これらにより、拡大するマーケットに対応できるものづくり技術を獲得できた。
2-2. 銀賞:
(株)コベルコ科研
テーマ:半導体分野における超高精度平坦度計の開発と事業展開
~100万分の1mmへの挑戦~

LEO事業本部の半導体ウェーハ検査装置の主力製品である平坦度計は、ウェーハ製造の初期工程では標準機として使用されているが、中間工程や出荷工程用では他社装置が独占していた。一方、昨今ニーズが高まっているハイグレードウェーハにおいては他社装置では中間工程用の検査に対応できず、この機会を捉えて、高精度で振動に強い計測ステージユニットを開発した。他社装置を大きく凌駕した性能が顧客から評価され、中間工程においては完全に標準機の地位を獲得し、今後の更なる成長が期待できる商品を開発できた。
2-3. 銀賞:
(株)神戸製鋼所 鉄鋼事業部門
テーマ:国内初! 高炉改修の進化:鉄皮全流用下での短納期低コスト改修

加古川製鉄所では、第3高炉が2016年に炉寿命を迎えるため、その5年前から改修検討を開始しており、コスト低減の観点から稼動中の第3高炉を短期改修し、従来法では全面更新していた鉄皮を流用することとした。長期にわたる事前準備や検討を行い、計画通り90日間での短期改修で大幅なコストダウンを実現すると共に、新たな改修技術も確立した。加えて合理化工事を織り込み、コスト競争力を強化し、上工程集約に向けた溶銑の安定供給にも大きく寄与している。
3. 銅賞:
コベルコシステム(株)
テーマ:クラウドビジネスの創出

2008年頃よりクラウドサービスが台頭し、同社ITインフラビジネスの基盤であったシステム構築や、お客様資産をデータセンターに預かるハウジングビジネスからの転換が求められた。グループ各社の個別システム構築からシステムを共同利用するプライベートクラウドサービスへのシフト、ハウジングビジネスのノウハウを活用したクラウド運用サービスへのシフト、および外販向けクラウドサービスの拡充により、ビジネスの転換と拡大を実現し、今後のビジネス基盤を構築した。
  • ※1 田宮嘉右衛門(明治8年生~昭和34年没)について
    神戸製鋼の生みの親にあたる合名会社鈴木商店に入社し、同社が1905年に小林製鋼所を買収し「神戸製鋼所」に改めた際に、支配人に就任した。その後、1911年に(株)神戸製鋼所が発足した時、常務取締役に就任し、1934年から1945年まで第五代目の社長を務めた当社育ての親である。

第59回田宮賞授賞式 金賞

第59回田宮賞授賞式 金賞

山口理事長 祝辞

山口理事長 祝辞

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